みそ、しょうゆ、酢、納豆、ぬか漬けチーズ、ヨーグルト等の発酵食品は、何世紀にもわたり世界中の人々の食生活に溶け込んできました。
食材に合った風土、気候を厨房とし、自然界の微生物を料理人としてできる発酵食品は、元を正せば偶然の産物ですが、理想的なアンチエイジング食品といえます。
発酵食品の歴史は非常に古く、およそ8000年前のコーカサス地方のワインが現在確認されている最も古い発酵食品といわれています。
発酵とは乳酸菌や酵母、イースト菌等の微生物が持つ酵素によって食材の中に含まれる糖やでんぷん、たんぱく質といった成分が分解して人間にさまざまなメリットのある新しい成分が合成されて変化することです。
人間に害のある成分に変化することは腐敗と呼びますが、細菌の作用によって別の成分に変化する仕組みは発酵と一緒です。
発酵により元々の食材よりもさらに有益なビタミンが生成されたり、独特のうまみと香りも豊かになり、保存性もよくなるといったさまざまなメリットが生まれます。
アンチエイジングのポイントである活性酸素に対抗する抗酸化作用が強くなったり、納豆のナットウキナーゼにように微生物が持っている酵素自体が人間の体に有益な効果をもたらしてくれます。
人間の腸は消化吸収だけでなく、重要な免疫器官としても働いており、体の免疫機能の7割を腸が担っているのです。
乳酸菌はさまざまな悪玉菌や病原菌と戦い、その繁殖を抑える働きがあります。
また、腸の働きを活発にして、便通をよくして腸内環境を常に良好に保ってくれます。
ぬか漬けやヨーグルト、チーズといった乳酸菌と関係の深い食品が胃潰瘍や胃がんに関係の深いピロリ菌の除去と免疫力の強化、抗アレルギー効果があるとも言われています。
味噌汁にぬか漬け、納豆といった伝統的な日本食はおいしいばかりでなく、健康維持とアンチエイジングに役立つ料理といえますね。